バントは必要か?
昨日はまた雨、試合も練習もできませんでした。(泣)
フルコーチさんのブログの中で「バント」が話題になっていました。いつもお邪魔させて頂いている「野球小僧達」の新米C監督さんのチームも「バントなし」がモットーのようです。ちょっと考えさせられたので、少し「バント」について、ここでも考えてみたいと思います。
少年野球で多用されるバントと、高校野球でのバント、それとプロ野球やメジャーリーグのトップレベルのバントでは、それぞれ意味が違うと思っています。
少年野球、特に小学生でのバントでは相手守備のミスが“期待”できる確率が多いので、“とりあえず”スコアリング・ポジションにランナーを送っておくことが重要だという考え方です。また、低学年以下ならば、1死or無死3塁で内野ゴロのケースでは、3塁ランナーは内野手が捕って1塁へ投げてスタートしてからでもホームインできたりします。勝利に拘るのであれば、バントを使うことはかなり有効だと思います。
ただ、これが「子どもに野球を教える」ということの上で必要なことかどうかは、それぞれの指導者の方々の考え方ですから、何とも言えません。(極端な例で言うと、2塁牽制でセンターが2塁ベースに入ることを教えることは、「野球」にとって必要なのか?ということだと思っています。)
一方でその対極にあるプロ野球やメジャーはどうでしょうか?
以前も紹介させて頂いた「マネー・ボール」の“主人公”ビリー・ビーンが就任する前のオークランド・アスレチックスGMだったサンディ・アンダーソンは、お金に渋い“ビジネスマン”がオーナーとなってから、何とかチーム改革を行わなければいけなくなりました。野球素人の彼は、スカウトとして雇ったビリーの助言もあり、過去のあらゆるデータを科学的に分析することを選択しました。
そして、最初に分析したのは「得点力」。普通、チームの得点力を評価する場合はチーム打率に注目するのがそれまでの(今でも?)常識でしたが、実はチームの総得点と平均打率は相関関係が薄いことが分かったのです。むしろ、出塁率や長打率の方がはるかに総得点と密接に結びついていることに気づき、多くの監督を「名監督」として有名にさせたサインプレー ―バント、盗塁、ヒットエンドランなど― は、大抵的外れか自滅行為だという結果が出ました。
彼の書いた文章を抜粋します。・・・≪野球を分析していくと、様々な意義深い数字が表れてくる。だが、野球において最も肝心な数字―とびぬけて圧倒的に重要な数字―は「3」だ。すなわち、イニングを区切るアウト数である。スリーアウトになるまでは何が起こるか分からない。スリーアウトになってしまえばもう何も起こらない。したがって、アウト数を増やす可能性が高い攻撃はどれも、賢明ではない。逆に、その可能性が低い攻撃ほど良い。ここで出塁率というものに注目してほしい。出塁率とは、簡単に言えば、打者がアウトにならない確率である。よって、データの中で最も重視すべき数字は出塁率であることが分かる。出塁率は、その打者がイニング終了を引き寄せない可能性を表している≫
話を少年野球に戻します。・・・出塁率は(安打+四死球)÷(打数+四死球+犠飛)で計算されます。しかし、少年野球にはエラーがつきものですから、実際は出塁率よりも多く出塁しがちだと思います。また、上手に3塁線に転がしたバントは相手のエラーを誘ったりもします。ですから、少年野球では尚の事バントが有効だったりするのだと思います。
しかし前述したように、これは少年野球“独特”のものだと思いますので、少年野球で勝利至上主義でやられるのであればいいですが、そうでなければ間違った野球を覚えさせることにもつながりかねないとさえ思ってしまいます。
現在でも甲子園では「送りバント」花盛りです。メジャーでも、決してこの考え方がスタンダードではありませんし、今行われているWソックスvsエンジェルスもまるで高校野球のようです。トーナメントやプレーオフで、ひとつも負けられない状況では、「バントで少ないチャンスをものにする」という気持もわからないではありません。また、無死1塁で「強行して併殺」などは、ショックが大きいですし試合の流れを断ち切ってしまいます。しかし、やはり日本の野球でも中学硬式レベル以上では「バント」は決して有効な作戦ではない、冷静に数字を並べるとそういう結果になるのではないかと思っています。(今度、暇な時に今年の甲子園のデータを拾ってみます。)
ところが、少年野球でもメジャーでも変わらず有効なものがあります。それは「四球」です。出塁率の計算式を見ても、それが歴然ですし、最も「アウト数を増やす可能性が低い」攻撃です。アンダーソンGMが選手達に徹底させた「打撃の鉄則」では、このように謳われています。
※打者はすべて、ホームランを放つパワーを養え。本塁打の可能性が高ければ、相手ピッチャーは慎重になるので、四球が増え、出塁率が上がる。
うちのチームは、軟式ですので高学年の試合になりますと中々ヒットが出ません。土曜日の試合(2年生の区代表決定戦)でも延長10回まで「2-2」のスコアで、ヒットは両チームとも一桁です。ですから、「バント(特にスクイズ)なし」では昨日のような試合では、残念ながら勝つことができません。
したがって、バントの練習もしますが、それ以上に「長打」と「四球」にはこだわっています。今夏までの1年間のチーム打率(3年生)は.230ですが、HR25本(38試合)、出塁率は.373でした。1試合平均4.5個の四死球をもぎ取っていますが、これも過去最高です。SR君などは、打率は2割を切っていますが、出塁率が.431、38試合で35個の四球を選んでいます。
うちはバントも仕方なくやりますが・・・、やっぱり今後もホームラン狙い で行きます!
| 固定リンク







コメント
今年に入って、バント野球で県大会進出の常連チームが方向転換しました。打撃に重心を置いてきました。
理由はいたってシンプル
「子供が集まらない」だそうです。
バント野球を親が子供が選ばないのが現状です。
まるで入部するチームを「マニフェスト」で親子は選び始めてる時代、という感じを受けました。
いっそバントを世界中で禁止にしてもらいたいくらい、辛い判断です^^
このチームは強くは無いけど、素晴らしい野球少年を育成している。そんなチームを目指し、一つでも多く勝利を味あわせてあげたいです。
バントはもちろんできる、でもホームラン党に1票です。
投稿: metoo | 2005年10月17日 (月) 01時21分
少年野球は何があるか分からないので、とりあえずバントで進めることが得点力アップにつながる・・・同感です。
でも、将来の子供たちの「野球」について考えるとバント作戦はいかがなものか・・・同感です。
バントもできるチームのホームラン狙い・・・大賛成です。
でも、我がチームの現在の打力は・・・悲しいかな「振れてません」・・・
投稿: さとる | 2005年10月17日 (月) 09時25分
昨日、4年生チームと5年生チームの紅白戦をやりました。長男を含め5年生チームは3本のホームラン!!ボロ負け。。
長男は家に帰って口数が多い、多い!!!
去年のC監督は「バント派でサイン多用の怒鳴り系」で長男はじめ選手が萎縮状態でしたが、今年のB監督は「ブンブン丸方針」です。サインは「走れ」と「ホームラン」!?の2つのみ、最初は戸惑っていた選手たちもシーズン終盤になってやっと振れてきました。
打席に立って思い切りバット振るだけなのに、出来るようになるまで、1年近くかかりました・・・・
投稿: 新米C監督 | 2005年10月17日 (月) 10時37分
少年野球の試合を見ていると、前半に一方にチームに流れがいくと、そのままでいってしまう場合が多いです。実力の如何に関わらず。
そんな時、流れを変えるのがバント戦法だと思っています。
ちなみに息子はバントのサインが出されることが多いです。当然本人は打ちたいですが、ベンチとしては、少しでも出塁&得点の確立が高い先方を選んでいるのだと思って納得しています。
また愚痴って申し訳ないですが、息子は前監督から直接「お前は打てないから、これからの試合全部バントだ」と言われたそうです。
すみません。聞き流してください。
投稿: 星 十徹 | 2005年10月17日 (月) 10時38分
★metooさん、ありがとうございます。
>バント野球を親が子供が選ばないのが現状
そうなんですか。野球する子どもが減ってきていますから、どこも大変なんですね。
土曜の試合でも、延長10回までやりましたが、うちの中学の監督さんは1死2・3塁、1点入ればサヨナラ(都大会出場決定)の場面でもスクイズしませんでした。勿論、バッターにもよるんでしょうが、・・・中学の監督さんを見直しました。因みに数学の先生なのですが、密かにデータ分析してたりして・・・
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 11時31分
★さとるさん、ありがとうございます。
うちだって昔から打撃のチームだったわけではありませんよ。打てない時もありましたが、徹底的に打撃だけはやりました。特にオフは、フリー・ティー・素振り・トス・・・無茶苦茶振らせます。もちろん時間はかかりますが、打撃向上は絶対にできますよ。
ですから、今の2年生チームは、7番までHR打てる力ありますし、控えの子でも何人かはHR打つ力持ってます。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 11時37分
小学生のバント、場合によっては「有り」だとは思います。でも原則的にはいつも打たせたいですね。中学・高校と上へ上がって野球をすれば、バントはある意味で必須ですから、せめて小学生の時は打つ楽しみを知ってほしいです。
昨年の学童大会、我がチームがボロ負けの試合展開で、最終回に息子が救援登板しました。いわゆる敗戦処理です。その時の相手チーム、10点以上リードしているのに、なんと送りバントをしてきました!
双方の応援団からため息が漏れてました^^
投稿: ドラ夫 | 2005年10月17日 (月) 11時44分
★新米C監督さん、ありがとうございます。
私が、C監督さんの「バントなし」を応援している理由を少し分かって頂けましたか?もちろん、こんな理屈以前に子ども達には「純粋に野球を楽しんでほしい」っていうのが第一ですけど・・・。
バットを「思い切り振れる」のは、技術がなければできないのですが、逆も真なりで速く振れるスイングは、正しいフォームに近いはずです。「どうしたら速く振れるか」、「どうしたら遠くへ飛ばせるか」というテーマが、バッティングを教えるには最も分かりやすいんです。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 11時44分
★星さん、ありがとうございます。
“積極的な”バントはOKです。どんどんやるべきです。ただ、これも選手自らが考えてできるようにならなければいけないと思っていますから、やはり“正しい”野球を覚えることは必要です。
それにしても、前監督さんは「年代物」ですね。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 11時48分
指導という意味では、思いっきり振るということを教えるのはよいことですよね。バントバントで固めるのは確かに、小器用なチームにはなるでしょうが.....
打撃が仕上がるまでの過程でも何回かに一回は勝たないと選手や父兄のモチベーションも下がりますから、指導者の方々としては難しい決断もあるのかなぁと思います。
少年野球での送りバントなんかは、ランナーが走れないからやるようなもんですよね。
もっと盗塁、走塁を重視すれば、送りバントなんか減らせられると思います。
練習は細かく、試合は「行け!行け!」が一番楽しいですよね。力も発揮しやすいと思います。
投稿: 文球 | 2005年10月17日 (月) 12時06分
★ドラ夫さん、ありがとうございます。
本文にも書きましたが、うちも仕方なくバントしますが、無死1塁では滅多にバントしません。無死3塁とスクイズは“仕方なく”する場合もあります。
逆に無死1塁で相手が送ってきたら、選手には「タダで1アウトもらったと思うように」と言って聞かせています。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 12時08分
★文球さん、ご無沙汰しています。
>練習は細かく、試合は「行け!行け!」
これです、これ!
本文に書いてあるアスレチックスの野球っていうのは、バントをしないのと同時に、盗塁もしないんです。もちろん、少年野球とは違いますけど・・・。
プロでも捕手の盗塁阻止率は高くて3割くらですから、有効な作戦だと思いますが・・・、データ上では「自滅行為」らしいです。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 12時18分
少年野球コーチさん
ありがとうございます、迷っていた私が「ブンブン丸派」にもどれたのは少年野球コーチさんのコメントのお陰です!!
投稿: 新米C監督 | 2005年10月17日 (月) 12時35分
うちのチーム(少年野球)はバント有りです。何がなんでもバント,初球はバントの構え・・・なんてのは賛成できませんが,時によってはバントも必要だと思うし,将来的なことも考えてバントの練習はさせて良いと考えています。
投手の一塁牽制に制限を設けて投手対走者の対決(盗塁)を演出している野球規則の精神は個人的には結構好きなんだけど・・・盗塁は自滅行為なんですね・・・。
投稿: さんま | 2005年10月17日 (月) 13時17分
もう一言だけ^^
今年のメジャーやプロ野球を見ていて気になりましたが、盗塁数の多いチームが上位にいませんか?
ホワイトソックス、ポトセトニック
エンジェルス、フィギンス
千葉ロッテ、西岡
阪神、赤星
少年野球は、まずは盗塁、次にヒットエンドラン、それでも難しければバントで送る。こういった試合運びが多いように思います。
中学になると盗塁も難しくなり、変化球の空振りも多い、ダブルプレーもしっかりできる、この辺りから駆け引きが違ってくるように思います。
投稿: metoo | 2005年10月17日 (月) 14時09分
★新米C監督さん、ありがとうございます。
これからも「ブンブン丸」を大いに期待しています。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 14時12分
★さんまさん、ありがとうございます。
「バント」、「盗塁」が自滅行為っていうのは、あくまでもメジャーでのお話しですから、少年野球には当てはまりません。
でも我々レベルでも、無死1塁を送って「1死2塁」は、あまり得点に結びつかないような気がします。相手が無死1塁で送ってきたら、結構「ラッキー!」って思います。でも、盗塁されたら厄介ですから、やはり捕手は大事です・・・ってさんまさんの時はオチがここに来ちゃいます。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 14時20分
★metooさん、ありがとうございます。
そうなんですよ。アスレチックスは「盗塁なし」に今でもこだわっていますが、どうなんでしょう?
因みに今日負けちゃいましたが、エンジェルスのソーシア監督は典型的な「知将」で、バッテリーのサインもベンチから出すくらいの「采配マニア」です。もちろん、フィギンスみたいな選手大好きで、盗塁もバンバンします(今期盗塁はAsの31に対し、エンジェルス161でメジャー1位)。
今期はエンジェルスに辛くも軍配が上がりましたが、アスレチックスもマルダー・ハドソン2枚看板が移籍したにもかかわらず、堂々の2位ですから野球としては「Asの勝ち」かもしれませんね(シーズン前は、堂々の最下位候補でしたから)。
きっと盗塁だけではない“何か”があるのでしょうが、我々にとって「盗塁軽視」はどうもしっくりきません。・・・うちは、盗塁バンバンやらせます。
投稿: 少年野球コーチ | 2005年10月17日 (月) 14時37分