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2006年1月24日 (火)

RespectとInvite

 日曜日は雪で練習ができなかったので、娘の部屋で受験勉強のジャマをしていると、珍しく家内が「お父さん、面白いテレビやっているよ」と呼びに来てくれました。

 NHK-BS2でやっていた「居酒屋 星野仙一」という番組でしたが、阪神前監督の星野さんと指揮者の小澤征爾との対談でした。小沢さんは、いわずと知れた世界的指揮者。星野さんも、最近は現役時代の“荒くれぶり”よりも、監督としての功績に目を向けられています。(小沢さんは、ボストン交響楽団の音楽監督を長くやられていたので、熱烈なレッドソックス・ファンだとか・・・)

 その対談の中で、小沢さんが「指導」について興味深いことを仰っていました。オーケストラを指導するときに、小沢さんは「教える」ことは殆どしないと言います。一番大事なことは、それぞれの演奏者と信頼関係を築き、その能力をInviteすることだと。あえて英語にしたのかもしれませんが、その時の手振りからすると、「能力を引き出す」ということなのでしょう。・・・「その為には、自分自身も努力している姿を見せなければいけない」とも言っていましたが。

 「やぁ~、私なんか、まだまだ教えたくなっちゃいますけどねぇ~」と星野さんが仰っていましたが、星野さんの監督ぶりも、何事にも勝負を優先する姿を見せ、そして選手の能力を充分に発揮させるという点では、やはり小沢さんの言う指導法と共通するものがあったのではないでしょうか?

 メジャーに渡った日本人選手はよく、「あの監督は、選手をRespectしてくれる」などと言います。ヤンキースのトーリ監督、ブレーブスの名将コックスなどを評するときには、Respectという単語がよく出てきます。“決して笑わない男”なんて揶揄されますが、カージナルスのラルーサ監督も、選手を信頼するところからチームを組み立てるタイプではないでしょうか?そして、選手の力を存分に発揮させ、みな「名将」の名を欲しいままにしています。

 日本のプロ野球でも、かつての広岡さん、森さん、野村さん、古くは川上さんのような、どちらかというと「知将」としての側面が前面に立ち、選手をコマのように上手に扱う名監督がいましたが、最近では去年のバレンタイン監督や、中日の落合さんなどは、かつての名監督とは全く違う“トーリ・タイプ”のような気がします。横浜の牛島さんなんかも、選手との信頼関係を重要視するようなタイプに見えました。

 今年は、その野村さんがプロ野球界に復帰します。原さんも巨人へ帰ってきましたし、古田プレーイング・マネージャーの手腕も見所です。野村さんの“ゲームとしての”野球に対する理論は、非常に整然としていますし、野球界への貢献は大だと思っています。でも、正直言って、野村さんの“やり方”は、今の選手にはもう通じないでしょうし、彼の理論やデータの分析方法などは、既にどこの球団でも多かれ少なかれ取り入れていることです。選手の意識改革が一番重要なのは分かりますが、果たして楽天の選手は野村さんについていくでしょうか?

 「インセンティブを払わなくて済んだから黒字になった」と喜んで、「名前」と「過去の栄光」だけで(?)選んでしまった監督に、(余った資金の)大枚をつぎ込んでしまったとしたら、今年の楽天は大変かもしれませんね。

 奇しくも野村さんは、小沢さんと同い年です・・・。

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コメント

野村監督の石井一投手へのコメント、聞いていて嫌な気分になりました。気持ちは解りますが言ってはいけない言葉ばかり、少年野球を指導している方なら、あんな言葉を子供に履き捨てる指導者は烙印を押されますね。

私もこの番組を見ていて、最後の色紙に「個」という文字を書かれていました。とても重たい一字ですね。個の集まりがチームであって個を引き出す事がチーム力アップに繋がるのでしょうね。

小沢さんの目、パワーがみなぎる目が印象的でした。

投稿: metoo | 2006年1月24日 (火) 01時56分

訳もなく子供を叱り飛ばす指導者は問題外ですよね。
子供がうまくできないのは、指導がわるいのに。

投稿: Skyboys広報 | 2006年1月24日 (火) 07時22分

★metooさん、ありがとうございます。

色紙に「個」と書く様子や、そばの食べ方などを見ると、小沢さんらしいというか、豪放そのものですね。とても70歳とは見えません。星野さんと同年代に見えますね。
でも、小沢さんは天才でも何でもなく、無類の努力家だと言います。常に学び続けるその姿は、野球だけではなく、見習わなきゃなりませんね。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 08時27分

★skyboys広報さん、ありがとうございます。

一度小沢さんの指導振りをテレビでやったことがありますが、「教えていない」というのは“ウソ”で、常に奏者を厳しく指導しています。
でも、多分そこにはそれまで培ってきた、あるいは小沢さんが懸命に学んできたことによって成立している信頼関係があるので、小沢さんも叱っているつもりはないし、教えられている方も叱られているとは思っていないんでしょうね。
本文中にも書きましたが、まず「自身も努力している姿を見せないとだめ」なんでしょう。何事も「指導」することは、難しいです。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 08時33分

今日はお知らせです
いつもお世話になってます、館長・P助の父です。
ライブドアブログからアメーバブログに引っ越しました。
名前欄にURL貼っておきましたのでテストも兼ねて遊びに来てください。
これからも少年野球ブログが盛り上がるよう毎日更新がんばります。

投稿: 館長・P助の父 | 2006年1月24日 (火) 09時35分

はじめまして。いつもお名前おみかけしています。3年生テンタと1年生トータの母です。
少年野球に関わるものとして、よろしくお願いします。
少年野球コーチさんの紹介している野球本、「4アウト」「甲子園への遺言」2冊とも図書館で予約中です。早く読みたいな・・・・
私のブログのブックマークに入れさせてくださいね。

投稿: プーミー | 2006年1月24日 (火) 09時51分

 野村監督は、選手時代に最後まで現役に拘った姿勢、地味な自分を「月見草」と売り込んだ旨さ、野球の造形の深さは野球人として好きでしたが、少年野球でチームを立ち上げて、プロに復帰してあのかあちゃんに好き勝手にさせた時点で、指導者としてボツだと思いました。
 プロ野球での指導力もヤクルト時代がピークじゃないですか? 最近の言動を聞いていると、中学か高校レベルのアマチュア野球界の方が向いているように思います。楽天がBクラスまで上がれば御の字でしょう。

投稿: フルコーチ | 2006年1月24日 (火) 10時37分

いっつも水を挿す、天邪鬼で申し訳ありません。(と先に言っておきます。(^^;)
小沢さん率いるほどの、フィルハーモニーは、
大概、皆さん個人個人が一流奏者の集まりで、趣味人ではありません。個人的な細かい指導は、その方々のプライドに傷をつけることにもなりますし、その方々の個人の恩師にもケチつけることにもなり、故にそんなことすると、信頼が損なわれます。あくまでハーモニーとしての指導をしても、演奏テクニックに手を出すことはしないと思います。
彼らが、幼い頃から培ってきたもの(個性)を引き出してやるのが、指揮者の見せ所だと思います。それが一流のハーモニーだからだと思います。

プロ野球も何故、仰木監督さんの方が選手たちに信頼され、人気があったのかというと、そういうところではないでしょうか?
大切なのは、個人個人で培われ来た歴史も含めて認めたうえでの指導ではないのでしょうか?

投稿: えと♪ | 2006年1月24日 (火) 10時52分

トーリ監督の名言に「君は君の仕事をすれば良い」という言葉がありますが、正にRespectとInviteな考え方だと思います。
選手の能力を引き出し、的確に配置する。これがプロの監督の仕事だと思います。

投稿: 若葉監督 | 2006年1月24日 (火) 11時17分

★館長・P助の父さん、ありがとうございます。

文球さんもお引越しされていました。やっぱり、子どもの手前livedoorってわけにはいかないですね。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 11時21分

★プーミーさん、はじめまして。

3年生と1年生ですか。楽しみですね。
我が家は既に高2。あと半年で真剣な野球はお終いです。・・・まぁ、その分親父がいつまでも、子どものように野球やっていますけど。(笑)
よろしくお願いします。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 11時24分

★フルコーチさん、ありがとうございます。

うちの会社の女の子は、「奥さんを見れば、その男の評価が全てわかる」というのが持論だそうです。その点で、野村さんは最低レベルだとか。
最近急激に評価を落としたのは、SBの和田だそうです。(奥さんは可愛いけどなぁ~)

私は彼女に女房を絶対見せないことに決めました。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 11時28分

★えと♪さん、こんんちは。

全然「天邪鬼」じゃないですか。(私が言いたかったことそのものなんですけど・・・)
私の文章が拙いので(番組の話しの流れ的には、中国の学生相手に教えている場面だったのですが、そんな学生に対しても小沢さんは“指導しない”と仰っていたので)、うまく伝わりませんでした。ただ、プロ野球もメジャーもれっきとしたプロがやっている、という前提でこの記事を書いています。
小沢さんも、音の出し方というか表現の仕方については、どんな一流奏者に対しても厳しいですよね。でも尚且つ、「個性を引き出し、それを美しいハーモニーにする」から超一流の指揮者なんでしょう。

野村さんは、自分でも「言葉足らず」を嘆いていますが、やはり彼の上から押付けるスタイルは、サッカーやメジャーに比較して、コーチング技術の普及が遅れている日本のプロ野球にあっても、既に過去のものだと感じています。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 11時42分

★若葉監督さん、ありがとうございます。

>「君は君の仕事をすれば良い」
私も仕事で部下にこの言葉使いたいです。でも、その部下は・・・愚痴になるからやめときます。(笑)
ヤンキースでは、打撃コーチのマティングリーも素晴らしいコーチですよ。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 12時06分

娘がクラッシックに興味がありまして、数年前ですがサイトウキネン・オーケストラを松本まで鑑賞に出掛けた事があります。
とても素晴らしい演奏でしたよ^^

投稿: ドラ夫 | 2006年1月24日 (火) 20時57分

★ドラ夫さん、ありがとうございます。

サイトウキネンは、小澤さんのことを一番知る仲間だと評していました。
星野さんは明治の島岡監督、小澤さんは斉藤秀雄、それぞれ師との出会いが人生を決めたと仰っていました。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月24日 (火) 21時46分

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