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2006年1月 6日 (金)

子どもはどこへ行った?

 毎年息子と、大晦日には“キャッチボール納め”をし、元旦には“キャッチボール初め”をするのが恒例なのですが、この年末年始はやりませんでした。息子が野球を始めてから初めてのことです。まぁ、彼も今年高校3年生ですし、今更“親父とキャッチボール”でもないでしょう。(去年あたりは、親父を哀れんでつき合ってくれていた節もありますから・・・)

 昔から息子とキャッチボールをするのは、歩いて30秒の児童公園です。ここにはご多分に漏れず「キャッチボール禁止」の大きな看板があります。近所には他にも幾つか公園がありますが、その殆どが「キャッチボール禁止」です。

 息子とよくキャッチボールするその公園は、うちのチームがよく自主練をやっている場所でもあるのですが、みんな「キャッチボール禁止」の看板を無視してトスバッティングくらいまではやっています。もちろん、私も含めてルールを破るのは良くないことなのですが、ついつい「ルール無視」をしてしまいます。(反省)

 でも、何故堂々とキャッチボールができるかというと、公園に子どもがいない」からなのです。その公園は、朝は犬の散歩で立ち寄る人、昼はベビーカーを押しての日向ぼっこ、夜はどこからともなく集まる浮浪者風の宴会場、といった具合で、子どもが元気に遊びまわる姿はほとんど見たことがありません。

 もちろん、私もチームの選手も公園に人がいる時にはキャッチボールなんてしませんが、学校の放課後になっても子どもは公園に遊びに来ません。ブランコも風に揺らめいているだけですし、砂場は野良猫のトイレにならないようにネットが被さったままで、滑り台などは今は枯葉で埋もれています。

 私が小学生の頃は公園が唯一の遊び場でしたから、暇さえあれば公園に野球をしに行きました。友達と約束するわけではありませんが、試合するには充分の人数が集まりました。野球をしない時でも、ブランコでどこまで飛べるか競ったり、勝手に作ったルールでビー球を掛けて遊んだり(いつも先輩にビー球を巻き上げられて泣いて帰ってました・・・)、鉄棒での“新しい技”を披露し合いながら遊んだものです。ブランコに乗るには並んで待つのが当り前でした。

 少年野球を長く教えていらっしゃる方がよく嘆くのは、「最近は、入部してくる子どもに、キャッチボールから教えなきゃならない」ということです。昔は、公園や原っぱで友達同士いつもキャッチボールするのが当り前でしたし、少なくとも野球好きな父親がいれば、物心つく前からキャッチボールしていたでしょうから、キャッチボールが出来ない子が野球クラブに入ってくることはあまりなかったのでしょう。

 別に野球に限ったことではありませんが、最近の学校の運動会を見ても、早く走れる子はそれなりにはいますが、満足に走れない子どもが多いのに驚きます。中学校の体育祭でさえそうです。子どもの頃に運動することの良否については議論を待たないところだと思いますが、最近の子どもの運動能力の低さは年々増しているような気がします。

 最近は「スポーツ家庭教師」なる商売が繁盛しているそうです。幼児向けのスポーツクラブやスイミングスクールも盛んですが、・・・何か違いますよね。運動することに変わりはないかもしれませんが、子ども同士で自由に遊ぶ中から自然と身につくことは沢山あると思います。子ども同士のコミュニティーの中で、喧嘩したり、リーダーが自然と決まりみんなでルールを作ったり、仲良くなったり離れたり・・・、スポーツクラブでは絶対に得られない、しかも成長期には絶対必要な経験が沢山あるはずです。

 子どもが外で遊ばないのは、特に私の住む東京が顕著なのかもしれませんが、今の子ども達が大人になった時、世の中はどうなっちゃうんでしょうかね?

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コメント

本年もよろしくお願いします。

いわゆる元気な子供は田舎でもへっています。
スポ少も何もしない子はなにをしているんだろうと私も不思議ですが、たいていはゲーム。

そういう子供たちにききたいのは本当の友達はいるのか?ということ。
スポーツに限ったことではありませんがスポーツは、その方法としては最適だと思います。

時代を嘆いていてもはじまらないので、少しでも多く勧誘して野球少年少女を育てたいですね。

投稿: ラピュタ之介 | 2006年1月 6日 (金) 12時31分

ゲームばっかなんでしょうね・・・最近の子供たちは。
近所にひとつだけ「ボール遊びOK」の公園があります。正月休みにここで長男と自主練習しましたが、”野球”しているのは我がチームの子供たちが大半でした。
こんな公園でゲームしているガキがいることには驚かされますけどね・・・

キャッチボールができて当たり前。それが幻想であることを昨春に知りました。
我がチームに入ってくる4年生以下はほぼ全員が『キャッチボール初心者』でした。
それが最近の「野球がしたい!」って言う小学生の実態です。

投稿: さとる | 2006年1月 6日 (金) 12時42分

公園でケガ人がでた遊具が、いつの間にかひっそりと無くなっていきましたね。学校の遊具も昔に比べると減っていました。

キャッチボールのボールがそれて当たり亡くなられた事件などが起こってしまうと「禁止」の二文字を公園に貼り付けるしかないのでしょうか。

だからこそ親の力が必要な時代かもしれません。安全にキャッチボールが出来る場所を作ってあげる、人数を集めてゲームが出来るように。それが少年野球チームであり、地域に貢献する意味につながっているのかなぁと思います。

投稿: metoo | 2006年1月 6日 (金) 13時00分

うちの近所の公園は、ましのようですね。
そのマンション隣接の公園は、放課後は野球小僧の溜まり場となっていて、サッカー小僧は皆無です。。
でも、カードを持ってきて遊んでる子供もいっぱいですが・・・

投稿: 新米C監督 | 2006年1月 6日 (金) 13時09分

 根本的に子供が少なすぎます!
私の子供の頃は、一クラス50人×6クラス=300人。これだけいれば、公園に行けば誰かが必ず遊んでいました。一方、息子達は、一クラス30人×3クラス=90人 これでもここ10年で増えたのです。
 日中、通学時間以外に子ども達を見かけることは、ほとんど無いですね。

投稿: フルコーチ | 2006年1月 6日 (金) 13時51分

最近の子供の運動能力の低下にはびっくりしますね。
野球を教える(キャッチボール)以前に基礎的な体の動かし方から教えなければならない・・・・小学生野球の指導者の皆様に敬意を表します(ホントに)。
そういう子供たちの立場から見れば、我々が普通にこなせるだろうと思っている動作がすごく難しいのでしょうね。見よう見まねで出来ないようです。


投稿: touch | 2006年1月 6日 (金) 16時12分

確かに運動会で活躍する子は、何らかのスポーツ少年団に所属いている子ばかりですね。

うちの近くには公園がありません…。一番近いところが、小学校のグランドです。息子と練習に行くと、小学校のグランドの隅でも、ニンテンドーDSやってたり、遊戯王カード?をやってたりしてます。外に出ても動かない子が多いようです。
困ったものです…。

投稿: 始動者 | 2006年1月 6日 (金) 18時15分

皆さん嘆いておられるように、近頃の子供達は「遊び方」を知らないですね。

私の子供の頃は田んぼでザリガニを獲ったり、カブト虫を探しに山へ入ったり、自然が遊び場でしたが、最近は様々な事情があるせいか、そうした事が出来る環境ではないですね。

うちは田舎ですので、キャッチボールをする場所には困りませんが、それでも外で遊ぶ子は減ったような気がします。

投稿: ドラ夫 | 2006年1月 6日 (金) 20時20分

★ラピュタ之介さん、今年もよろしくお願いします。

会津でも“引きこもり”がちなのですか。やはり嘆かわしい問題ですね。「健全な精神は、健全な肉体に宿る」は真理だと思うんですけど・・・

>本当の友達はいるのか?
その点、団体競技である野球はうってつけですね。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 06時17分

★さとるさん、ありがとうございます。

やはりゲームですかね?
確かにTVゲームやポータブル・ゲームが流行ったことは大きいですね。その任天堂がメジャー球団のオーナー会社なのですから、皮肉なものです。

うちの選手も、パワプロでは「タッチアップ」ちゃんとできるのに、試合では外野フライで飛び出しちゃったりします。(笑)

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 06時30分

★metooさん、ありがとうございます。

確かに痛ましい事故がありましたから、「キャッチボール禁止」も仕方が無い面があるのでしょうね。野球やサッカーが安全にできる場所をちゃんと作ってあげるということは大切なことですね。

でも、遊具でケガしたからって、「直ぐに撤去」は如何なものかと思います。今は箱型ブランコの姿をすっかり見なくなりましたが、私も子どもの頃あれで足を挟んで踵にヒビが入ったことがあります。でも、そのくらいのケガってみんな普通にしていましたし、ケガしたからってもう遊ばないってことじゃなく、どうやって遊ぶのか考えるのが普通の子どもでしたよね。
もちろん程度問題はあるかもしれませんが、子どもはケガするのが当たり前。野球のボールが当り亡くなられるような事態は避けなければなりませんが、小さな頃から遊び方を“学習”していないから、昔では考えられないような遊具での事故が起こってしまうじゃないでしょうか。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 06時45分

★新米C監督さん、ありがとうございます。

「サッカー小僧は皆無」って意外ですね。
そう言えば、C監督さんのチームは大勢部員がいますよね。うちの地元は、今小学生チームが極端な部員不足です。小学校には、野球、ソフト、サッカーと大きな団体が3つあるのですが、どこもそうです。普通はこの3つのうち、どこかに偏る傾向にあったのですが、最近はこうしたチームに参加する子自体が減っています。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 06時51分

★フルコーチさん、ありがとうございます。

確かに子どもの数が減りましたね。でも、こればっかりはどうしようもないです・・・。
しかも、最近は物騒な事件が多発していますから、小さな子どもを一人で外に出すなど親としては論外なのでしょうね。気持ちはよくわかります。・・・だからこそ、せめて休日はゲームをやめさせて、親父と公園でキャッチボールするとか、子供同士で外で遊ばせるとか、野球やサッカーに熱中させたらどうなんでしょうかね?

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 06時56分

★touchさん、ありがとうございます。

>最近の子供の運動能力の低下にはびっくりしますね
やはりtouchさんもそうお感じになられますか。うちのチームでも、野球選手なのに100mの都記録破っちゃた子がいたり、1年生のころから遠投80m投げちゃうような子がいたんですけど、最近はそんな子は滅多にいません。

>見よう見まねで出来ない
不勉強なので、何かの本で読んだ記憶があるだけなのですが、これが現代っ子の特徴らしいですね。自分の身体を、自分のイメージ通り動かせないんだそうです。運動するためにはたらく脳機能の低下・・・これこそが小さな頃から「公園で遊ばない」弊害のような気がします。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 07時09分

★始動者さん、ありがとうございます。

うちの地元では、小・中学校のグランドは空いていても自由には使わせてくれません。私が小学生の頃は、近所の子はいつでも自由に小学校の校庭へ出入りできましたが、今は勝手に入るとセコムが飛んできます。物騒な世の中ですから仕方が無いのですかね。

少し遠いですけど、サッカーや野球が自由にできる大きなグランドがあります。しかし、そこは愛犬家の溜まり場と化しており、十数匹の犬が常に駆け回っています。野球なんかやっていると、文句言われます。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 07時22分

★ドラ夫さん、ありがとうございます。

最近の物騒な事件は都会だけじゃありませんからね。つくづく嫌な世の中になってしまったと思います。

でもキャッチボールできる所に困らないというだけでも羨ましいです。
東京都心の高校は、学校の校庭でまともに野球の練習ができる学校はありません。「西東京」(日大三など)はまだ環境がいいですけど、「東東京」の強豪校は大体グランドが千葉や埼玉とか別にあります。冬などは、授業終わってグランドに着いたら既に日は落ちています。これじゃぁ強くなるはずありませんね。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 07時33分

こんにちは。私の仕事のお話でしょうか?(笑)
私は、人助けのつもりでやってますが、それが時々非常に辛くなることがあります。
少年野球コーチさんのおっしゃる通り、私の教えているトレーニングメニューは、子供がやって楽しいわけがない!(苦笑)
私は、自分を必要としなくなる子が増えてくれる方が良い職業なんだと思っています。
(バレエそのものだけだったら、私はプロじゃないですからね・・・苦笑)
Kくんだって、うちに来る必要はなかったでしょう・・・正直、気の毒な気さえします。
なんで、野球選手がバレエの先生に習わねばならないのか?(^^;
基本の身体がない上に技術を積み重ねた怖さです。上手くなるどころか、彼は野球を3年やって、ひどくなりました。
彼の場合は公園閉鎖が原因ではないようですが、こんなに公園を閉鎖すると、Kくんのような身体能力の低い子がもっと増えていくかもしれません。
その上で技術を重ねると、子供の身体は壊れます・・・
(子供の夢も壊します。)
指導者さんは、小学生に安易に子供に教えられなくなりますし、結局、身体能力が高い子だけのスポーツになります。
不器用な子が上手くなるチャンスを作るには、「お金」が必要になるかもしれませんね。
世知辛いですね・・・(~~;)
普段は、考えないようにしていますが、辛くなってきました。。。(^^;

投稿: えと♪ | 2006年1月 7日 (土) 10時34分

★えと♪さん、ありがとうございます。

子どもの身体のことはえと♪さんにお任せします。(笑)
子どもの身体的な未熟度もそうですが、子ども同士で遊ぶ中から学ぶことも多いと思うのですが・・・。
小学校のころには仲が良かったのに、中学に入ると嫌いになったり。小学生の頃はいじめられっ子だったのに、中学になればリーダー的存在になったり。ちょと悪い事して遊んだり、そして大人に怒られたり。
・・・私なんか野球ばかりでしたから、何回人の家のガラス割って怒られたことか。(笑)

最近は人とコミュニケーションとれない大人が増えています。度を超した人は、変な事件まで起こしたりしますが、昔では考えられなかったような事が起きたりしますね。
事件が起こるたび、「セキュリティ」、「安全強化」は叫ばれますが、根本的な問題は子どもの頃のコミュニケーション不足(外で友達と遊ぶことがなくなった)かもしれませんね。

投稿: 少年野球コーチ | 2006年1月 7日 (土) 11時04分

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